ランドリールームのある住まい
2025年 06月 01日

家事の中でも、家の間取りやつくりと密接に関わるのが洗濯です。
衣類を集め洗濯機を回す、干す、取り入れる、仕舞う、というのが一般的な流れです。
ですが、そのそれぞれをどこでどのようにするかに、その家流のスタイルがあらわれます。
洗濯機は脱衣所に置くケースが多いと思いますが、それ以外にこれまで受けた要望では、物干し場の近く、水回りの廊下の一角、炊事の流れでキッチンの近く、専用のユーティリティなどがありました。
洗濯物をどう干すかも多様で、バルコニーや庭のテラスでという天日干し派ばかりでなく、脱衣所や浴室に室内干し、衣類乾燥機のみ、サンルーム、除湿器を使い小部屋の乾燥室でなど、一様ではなくなってきています。
花粉症や空気汚染の問題や、家事を効率化したい共働きの生活スタイルが、多様化の背景にあるのでしょう。
どのようなスタイルにしろ、我が家流の一連の流れに合わせた洗濯動線を描くことが、スムーズでストレスのない洗濯家事の決め手になります。
紹介する住まいでは、2畳強の広さのランドリールームを設けました。
洗濯機とガス衣類乾燥機を置き、収納も設けています。
特徴は、南に面する場所に配置して、日照と通風のため大きな窓を設けたこと。
建物が南面する幅の1/4を敢えてランドリールームに充てました。
2世帯3世代が同居するこの家では、毎日たくさんの洗濯物が想定されます。
「我が家にとって雨の日も寒い日も、洗濯が滞らないことは重要なのです」との要望を受け提案した
スペースです。

アクセスはよいが、居間から丸見えにならない位置関係がポイント

もう一つの特徴は吹抜です。
上階から葺き下ろす屋根下に配置したことで、天井の高い吹抜状の空間になっています。4mの高さに通風用の窓があり、上下に空気が循環することで洗濯物の乾きが早まります。
また物干竿を高い位置に設置することができ、洗濯物を干していても、その下の空間で作業ができます。物干竿は手動で昇降する仕掛けで、背の高くない人が洗濯物を掛けるにも不都合がありません。
たかが洗濯、されど洗濯。
気持ちの良い暮らしのために、こだわって整えたい住まいのスペースです。
文・写真 勝見紀子/株式会社アトリエ・ヌック建築事務所
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# by jogikai | 2025-06-01 08:00 | 洗う・干す | Trackback | Comments(0)