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自然光を取り入れた玄関

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画像1)玄関から外を見る


自然光は壁に時間の移ろいを映してくれます。
四季の変化も知らせてくれます。

玄関ドアの横と欄間に透明ガラスを設け、
暗くなりがちな玄関に自然光を取り入れました。

来訪者もそっと教えてくれます。
そして自然光は空間をやさしく包んでくれます。


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画像2)外から玄関を見る


文:矢賀部雅子 一級建築士/アトリエRAUM一級建築士事務所

  写真:黒澤彰夫

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。

 女技会のホームページは→コチラ                   


# by jogikai | 2023-11-15 08:00 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)  

エコプリント

草木染めの一種、「エコプリント」をご存じでしょうか?

植物の茎や花などを煮出して作った染液で布を染めるのが一般的な草木染めですが、エコプリントの場合は染液を作らず、葉っぱや花そのものの姿かたちを、布に写し取る染め物です。

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くっきりと染まった葉。カエデ類は濃く染まる傾向。

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布に配置したイタヤカエデの葉。


数年前にこの染め物に出会ったとき、自然を一枚の布に移し替えるようなダイレクト感と、選んで配置した植物がどんなふうに仕上がるかのわくわく感で、すっかり虜になりました。

プリントというけれど、描き写したり再現されるのではなく、葉や花の輪郭や葉脈や色素といった植物の要素ごと、そのまま布に乗り移る現象に、いたく感動したのを憶えています。私の中では、子どもの頃崖土の中から見つけた貝の化石や、ど根性ガエルのぴょん吉(だいぶ古くてすみません)に匹敵する、腑に落ちる感覚でした。

やり方をざっくり言うと、

布に葉っぱなどを敷きならべ → くるくると棒に巻き付けて密封 → 蒸す という工程です。
葉っぱが、蒸されることでその色素が染み出て、形状ごと布に染み込む現象が起こっています。別名の「バンドルダイ」は、束ねて染めるこの手法から来た呼び名だそうです。

緑の葉っぱがそのままの色で出るわけではなく、概ね茶や灰色をベースとした色味になります。
野菜を長時間蒸すと色の鮮やかさはなくなるけれど、それぞれの微妙な色味の違いは残る、その感覚です。渋めの色のバリエーションだけれども、それぞれの形と相まって、とても味わいと存在感のある造形が現れます。

あらかじめ布に染み込ませておく媒染液の種類によっても、色の出方は変わるそうです。

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蒸し終えたものを開いているところ。葉の裏表でも現れ方が異なる。


やり始めると、どんな植物がどんな色に出るのか、季節の違いはどうなのか、いろいろと試してみたくなります。葉で絵を描くようにつくるとか、同じ地域の植物だけで作ってみるなど、コンセプトを決めてやってみるのも楽しいものです。

いつかこの染め物を、建具や壁面に貼ったり窓のシェードにするなど、インテリアに取り入れること企みつつ、エコプリントに勤しんでいます。

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Beforeafterを対比した写真。知人が作ってくれました。


文・写真 勝見紀子/株式会社アトリエ・ヌック建築事務所


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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
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# by jogikai | 2023-11-01 08:00 | 素材・仕上材 | Trackback | Comments(0)  

自然や植物を楽しむ「ブナの森の会」の活動

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写真1 朝霧のなかのカヤノ平高原

私の趣味のひとつに「ブナの森の会」の活動があります。「ブナの森の会」は、長野県木島平村カヤノ平高原をメインフィールドとした自然や植物を楽しむ会です。あまり知られていませんが、カヤノ平高原には樹齢300年を超えるブナの原生林があり、高山植物の宝庫と言われる魅力ある場所です。

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写真2 樹齢300年のブナの樹木

「ブナの森の会」の会員は約40名で、私を含めた15名の役員で運営しています。創立から25年を過ぎ、私が若手と呼ばれるような70代が中心の会ですが、会員は、とても積極的でアクティブな方々ばかりです。

活動の中心は、年7,8回宿泊及び日帰りで様々な場所のブナ林や里山、植物を訪ねることです。カヤノ平高原の他、御岳山(東京都青梅市)、小山田緑地・小野路(東京都町田市)は定点観測の場とし毎年必ず訪問します。

5年前まではカヤノ平高原のロッジを貸し切り、子供向けの「森の学校」を開催していました。またこれまで白神山地、奥入瀬、佐渡、奥只見、尾瀬などのブナの原生林に出向き、カヤノ平のブナ林との違いを観察しました。「田んぼ班」があり、会員の希望者は長野県栄村で米作りをしています。

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写真3 田植え翌日の朝焼けの風景

私の楽しみは、ブナ林に癒されつつ樹木や草花を愛でることです。春にはブナを始め、様々な樹木の未生(みしょう・種子から発芽したばかりの植物)を見ることができます。

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写真4 ブナの実生 前年の実が豊作だった年は芽吹きも多い

春から初夏にかけて咲いた可憐な花が、秋に向けて実となる姿を観察することは、とても楽しいです。

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写真5 サンカヨウの花 良い香りがする

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写真6 サンカヨウ 花が散ると若い緑色の実となる

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写真7 サンカヨウ 緑色の実は成熟すると紫色となる

なかでも初めて見るような名前のわからない植物を見つけ、仲間と意見を出し合い、図鑑を調べて同定することには、充実感があります。

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写真8 キヌガサソウ 6月下旬のカヤノ平で見られる

いつも感じることは、何回も訪ねる場所でも、その年の気候や訪れる時期で樹木の成長や花の咲き具合は異なり、ひとつとして同じではないことです。その都度新たな発見があり、まさに「一期一会」だと実感しています。

文・写真:杉山経子 博士(工学)建築歴史・意匠 杉山経子建築+デザイン研究室

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。

 女技会のホームページは→コチラ

# by jogikai | 2023-10-15 22:40 | 学ぶ・遊ぶ | Trackback | Comments(0)