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ランドリールームのある住まい

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雨の日も寒い日も頼りになるランドリールーム


家事の中でも、家の間取りやつくりと密接に関わるのが洗濯です。

衣類を集め洗濯機を回す、干す、取り入れる、仕舞う、というのが一般的な流れです。

ですが、そのそれぞれをどこでどのようにするかに、その家流のスタイルがあらわれます。

洗濯機は脱衣所に置くケースが多いと思いますが、それ以外にこれまで受けた要望では、物干し場の近く、水回りの廊下の一角、炊事の流れでキッチンの近く、専用のユーティリティなどがありました。

洗濯物をどう干すかも多様で、バルコニーや庭のテラスでという天日干し派ばかりでなく、脱衣所や浴室に室内干し、衣類乾燥機のみ、サンルーム、除湿器を使い小部屋の乾燥室でなど、一様ではなくなってきています。

花粉症や空気汚染の問題や、家事を効率化したい共働きの生活スタイルが、多様化の背景にあるのでしょう。

どのようなスタイルにしろ、我が家流の一連の流れに合わせた洗濯動線を描くことが、スムーズでストレスのない洗濯家事の決め手になります。

紹介する住まいでは、2畳強の広さのランドリールームを設けました。

洗濯機とガス衣類乾燥機を置き、収納も設けています。

特徴は、南に面する場所に配置して、日照と通風のため大きな窓を設けたこと。

建物が南面する幅の1/4を敢えてランドリールームに充てました。

2世帯3世代が同居するこの家では、毎日たくさんの洗濯物が想定されます。

「我が家にとって雨の日も寒い日も、洗濯が滞らないことは重要なのです」との要望を受け提案した
スペースです。

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アクセスはよいが、居間から丸見えにならない位置関係がポイント

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掃き出しサイズの窓。壁付けの物干金物で、外干しにも対応


もう一つの特徴は吹抜です。

上階から葺き下ろす屋根下に配置したことで、天井の高い吹抜状の空間になっています。4mの高さに通風用の窓があり、上下に空気が循環することで洗濯物の乾きが早まります。

また物干竿を高い位置に設置することができ、洗濯物を干していても、その下の空間で作業ができます。物干竿は手動で昇降する仕掛けで、背の高くない人が洗濯物を掛けるにも不都合がありません。

たかが洗濯、されど洗濯。

気持ちの良い暮らしのために、こだわって整えたい住まいのスペースです。


文・写真 勝見紀子/株式会社アトリエ・ヌック建築事務所

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
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# by jogikai | 2025-06-01 08:00 | 洗う・干す | Trackback | Comments(0)

 

すきまを工夫して作った収納実例

なんとか限られた空間の中で収納をとりたい!
新築時やリフォームの時、平面的にだけで無く三次元で空間を捉えて考えた実例をご紹介します。

実例1.勾配天井の収納
3階の子ども部屋の収納を、屋根の形を利用して天袋を設けました。
収納した物をとるときは、梯子を使います。
梯子をパイプにひっかけて横に移動出来るようにしています。
狭小住宅でも工夫をすれば、天袋の下は部屋となり、少しでも広く使えようになります。

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梯子を利用して使う天袋

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断面図

実例2.床の段差を利用した収納

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段差を利用した床下収納
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マンションのリノベーションで、和室だったところを広げてリビングルームと一体にしました。
段差があった場所はそのまま活かし、床下に引き出し収納として使います。
和室の襖は鏡貼りのクロゼットドアにすることで、空間を広く感じられます。

実例3.先入れ先出し収納
洗面化粧台の収納の一部を、美容室のようなタオル収納とし、先入れ先出しの棚を作りました。
上に新しく洗濯したタオルを載せていっても、下の丸く空いた穴から引っ張ると最初の入れてあったタオルが取り出せます。
タオルのサイズにあった穴の大きさにすると、スムーズに取り出せて便利です。

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先入れ先出しタオル収納
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先入れ先出しタオル収納


空間のすきまをつかった収納。いろいろなアイディアで、もっと有効利用出来る場所はありそうです!

文・写真・イラスト:一級建築士 鈴木二葉/靖建築事務所有限会社

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
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# by jogikai | 2025-05-15 08:00 | 出す・しまう | Trackback | Comments(0)

 

ドアノブ採集

建築散歩が大好きで、昨年は国内のいろんなところへ行きました。

写真はいつもたくさん撮るのですが、中でもドアノブやハンドル、引手の写真を集めてみました。

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集めてみると、気づくことがあります。

例えば、新しい公共建築や商業施設の出入り口は、自動ドアが多くて意匠的なドアハンドルは少ないこと。確かに感染症が流行した時にはドアに触らず出入りが出来る自動ドアが安心でしたし、多くの人の出入りがある建物では手動より自動の方が良いのかもしれません。

でも様々な色柄のドアハンドルは、使いよいように目を楽しませるように、それぞれに設計者の思いが込められていて、それを想像しながら鑑賞するのも楽しいです。

ドアハンドルを押して中に入る時の、建物に挨拶をするような感じにワクワクしてしまいます。

ところで、札幌の北海道知事公館旧三井家別館で見たハンドルと、東京都中野区の三岸好太郎・節子アトリエで見たハンドル、向きは逆ですが全く同じデザインのものでした。

三岸好太郎さんが札幌のご出身ということを考えると、単なる偶然ではないのかも・・・などと、建築探偵を気取って深読みを楽しんでいます。

写真・文 一級建築士事務所 ゆくり設計室 松山千晶

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# by jogikai | 2025-05-01 08:00 | 素材・仕上材 | Trackback | Comments(0)