
ある会のイベントで模型などを出展していましたら、地元にお住いのおじいちゃんが私の作りました模型を見てご自身が作られた模型の出来栄えが良いので是非飾って欲しいとのことでご自宅に受け取りに行きました。
87歳!!建築をされていらっしゃったというわけでもなく、古民家で育った記憶から記憶を辿り作られたとか。古民家で出た廃材を利用しなくては造る意味が無いというこだわりようです。モノを大切にする世代。とても素敵なものを見せて頂きました。

写真の茅葺屋根の家は屋根が外れて、内部を見ることが出来ます。ご自宅から出た畳で8畳間を4部屋。囲炉裏部屋や土間まで丁寧に再現されています。茅葺は、松の葉で葺かれたそう。
今回は科学と芸術とがテーマのイベントで大人から子供までが色々な分野の作家さん達が考案した作品でワークショップなどができるものとあって、なかなか面白いものとなりました。

木組みの模型は金物を使わないで家を建てる大工さんの仕事を紹介しています。金物を使わなくてもしっかりと連結できる仕組みに子供たちは興味深々です。押しても引いても外れない、昔ながらの伝統の木組みが強いことを勉強していただきました。会場に来た方の中には木材の良い香りがしますね。と感じる方も多くいました。

箱根の寄木細工職人さんが色々な無垢の材を圧着して削り出して作ったおもちゃ、科学記号の組み合わせで色々な絵が描けるという不思議体験にワークショップ。理系離れが進んでいる中、子供たちに楽しく学んでいただこうという試みですが、同時に手作りのものに触れることで、モノの大切さも学ぶことができると思います。

簡単に古いものを捨て、新しいものにしてしまうという風潮がありますが、最近はリフォームのご依頼と共に古民家の再生のご相談も少しずつですが増えてきました。既製品のものが溢れ、何かほっとできる場所を求めた時に昔のモノへと回帰していくようです。 小林輝子