キッチン横のダイニングテーブル
2021年 06月 01日
住まい手は、小学生と保育園児を育てる共働きのご夫婦です。夫妻とも郊外のこの家から都心に通うフルタイム勤務で、ウイークデイは毎日戦争のようだと言います。保育園や塾の送迎も、フレックス通勤を利用しつつ夫婦が協力して行っています。
そんな夫妻が家づくりの際、キッチンや食事の場に対して望んだのは、朝食の配膳や後片付けがサッとでき、夕飯の支度をしながら子どもの宿題もみてやれるようなつくりに、ということでした。料理から食事、後片付けに至るまでの一連を、なるべく同じ場所でコンパクトに済ませて炊事の負担を減らしたいとのことです。
一方居間の方は、土日など時間にゆとりのある時に、皆で映画を楽しんだりゲームをしたり、時にはお友達をたくさん呼んで、ゆったりと過ごせる場所にとのご希望でした。
夫妻は当初、キッチンの対面カウンターで横並びに食事するスタイルをイメージされていましたが、それではラーメン屋さんのようで味気ないもの。家族が顔を見合わせて会話し、大皿料理をつつき合ったりできるよう、流し台横の柱とのスペースにダイニングテーブルを造り付けました。
食べる場所とつくる場所の距離が限りなく近いこのキッチン、子供たちも自然に料理屋片付けに参加します。忙しい日常でも、いつも夫婦・親子の会話が聞こえるキッチンとなりました。
文・写真:勝見紀子/一級建築士 アトリエ・ヌック建築事務所
by jogikai | 2021-06-01 06:00 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)