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付かず離れず暮らす家 ―85才の母と建て替え(その1)


「母が今後も元気で快適に暮らせる家を」と長男T夫妻からの依頼でした。

85才の母は一人暮らし。夫妻は母宅の近くで大量の蔵書に囲まれた生活をしていますが、この生活を保ちつつ母と付かず離れず、平日は新しい住まいで母親と暮らすことを決めました。

築54年の家は増築を重ね、間取りは入り組み、耐震補強や断熱工事などリフォームするには相当の費用が掛かるため、建て替えの選択をしました。

とは言え、新築住宅は、高齢者の心身には大きな負担です。できるだけ負荷が掛からないよう、お母様の活力の源である近隣やご友人のお付き合いが、これまで通り続けられるよう、外部への動線は変えないようにしました。

   

 玄関・アプローチ

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玄関は既存の家と同じ位置に。ご近所さんやお友達が訪ねやすいよう門扉や高い塀は設けません。近所に開かれた造りです。花の水やりをしながら道行く知人との交流を持続するよう植栽は、そのまま。


 縁側

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裏の方とは大の仲良し。おかずやお菓子を持って、行ったり来たり。塀と裏木戸は造り替え、楽しいおしゃべり用に濡れ縁を設けました。


打合せは入念に

設計課程では、お母様に窓や収納の大きさ・位置を原寸大で説明し、空間の理解に努めました。現場が始まると、できるだけ足を運んで頂き、職人さんと話したり、家が出来上がっていくプロセスを体感して頂きました。    

加部設計一級建築士事務所 加部千賀子 /  外観正面撮影:栗原宏光

by jogikai | 2021-09-01 08:00 | 寄り添う・看る | Trackback | Comments(0)  

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