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経年美化

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写真1.地元の石や土で作られたヨーロッパの町

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写真2.地元の石や土で作られた壁

建築の素材が古くなって変化していくことを「経年変化」と言います。
時間の経過とともに素材が変化していくことを美しいと感じる誰かが、「経年美化」という言葉を生み出しました。

先日、仲間とはじめたポッドキャストで「経年美化」をテーマに話をしました。建築の素材に限らず、古くなっていくものの美しさを感じる時って、どんな時なのだろう?ということを考えました。

例えば、革製品。ヌメ革があめ色に変わってゆき、適切にお手入れをすることでツヤが出ます。例えばデニム。着る人の体のくせが皺になり、その形で色が部分的に抜けて、転写されたようになります。

床材も同じです。住み始めたばかりのころは傷もなく明るい色の木材が、数年経つと徐々に飴色に変化し深みを増しツヤが出ます。傷も味わいのひとつ。本物であることの証左です。ただ古くなっていく、時間とともに変化する、というだけでなく、手をかけて大切にする、その記憶が、経年変化する物を美しく感じさせるのではないかと思います。

数年前、ヨーロッパに古民家を見に行く旅をしました。250年~300年くらいの、本当に古い民家です。ヨーロッパでは古い家ほど価値が高く、DIYで修理したりインテリアを変えたりして、長く住み継いでいます。家の修繕は家事の一種、という意識なので、業者を呼ぶ前になんでも自分で直す文化です。

ヨーロッパの家が美しいのは、そうやって長い時間をかけて、住まい手たちのリレーによって家を愛する記憶が受け継がれているからなのかもしれないなと思いました。


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写真3.フランス、ミディ=ピレネー地域圏のコンクというコミューンにて

文・写真:松山千晶 / 一級建築士事務所ゆくり設計室

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。

 女技会のホームページは→コチラ



by jogikai | 2023-09-15 08:01 | 素材・仕上材 | Trackback | Comments(0)  

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