自然や植物を楽しむ「ブナの森の会」の活動
2023年 10月 15日
写真1 朝霧のなかのカヤノ平高原
私の趣味のひとつに「ブナの森の会」の活動があります。「ブナの森の会」は、長野県木島平村カヤノ平高原をメインフィールドとした自然や植物を楽しむ会です。あまり知られていませんが、カヤノ平高原には樹齢300年を超えるブナの原生林があり、高山植物の宝庫と言われる魅力ある場所です。
写真2 樹齢300年のブナの樹木
「ブナの森の会」の会員は約40名で、私を含めた15名の役員で運営しています。創立から25年を過ぎ、私が若手と呼ばれるような70代が中心の会ですが、会員は、とても積極的でアクティブな方々ばかりです。
活動の中心は、年7,8回宿泊及び日帰りで様々な場所のブナ林や里山、植物を訪ねることです。カヤノ平高原の他、御岳山(東京都青梅市)、小山田緑地・小野路(東京都町田市)は定点観測の場とし毎年必ず訪問します。
5年前まではカヤノ平高原のロッジを貸し切り、子供向けの「森の学校」を開催していました。またこれまで白神山地、奥入瀬、佐渡、奥只見、尾瀬などのブナの原生林に出向き、カヤノ平のブナ林との違いを観察しました。「田んぼ班」があり、会員の希望者は長野県栄村で米作りをしています。
写真3 田植え翌日の朝焼けの風景
私の楽しみは、ブナ林に癒されつつ樹木や草花を愛でることです。春にはブナを始め、様々な樹木の未生(みしょう・種子から発芽したばかりの植物)を見ることができます。
写真4 ブナの実生 前年の実が豊作だった年は芽吹きも多い
春から初夏にかけて咲いた可憐な花が、秋に向けて実となる姿を観察することは、とても楽しいです。
写真5 サンカヨウの花 良い香りがする
写真6 サンカヨウ 花が散ると若い緑色の実となる
写真7 サンカヨウ 緑色の実は成熟すると紫色となる
なかでも初めて見るような名前のわからない植物を見つけ、仲間と意見を出し合い、図鑑を調べて同定することには、充実感があります。
写真8 キヌガサソウ 6月下旬のカヤノ平で見られる
いつも感じることは、何回も訪ねる場所でも、その年の気候や訪れる時期で樹木の成長や花の咲き具合は異なり、ひとつとして同じではないことです。その都度新たな発見があり、まさに「一期一会」だと実感しています。
文・写真:杉山経子 博士(工学)建築歴史・意匠 杉山経子建築+デザイン研究室
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by jogikai | 2023-10-15 22:40 | 学ぶ・遊ぶ | Trackback | Comments(0)