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「台北 榕錦時光生活園區」 台湾の日式建築のリノベーション・モール


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台湾の「日式建築」のリノベーションを見に行ってきました。

「日式建築」とは日本統治時代(1895年~1945年)の50年間に建てられた建築群の内、意匠的・技術的に日本をルーツとする近代建築群です。

当初 負の遺産として捉えられていた建築物ですが、中国本土の様式のレンガ造ではなく、「木造の建築はおしゃれな雰囲気、懐かしく感じる」などの評価が変わり、2000年にリベラルな政党が政権につくと、日式建築の再評価、保存、再生の動きが加速しました。

台北の「崋山1914文化創意産業区」(酒の工場のリノベ)など民間資金による文化発信基地としてのリノベーションが進んでいます。

市民による保存の動きを文化資産保存法が強力に後押ししていて、「所有者が取り壊そうとしても、文化的価値が認められれば、周辺住民がストップをかけられる。」という制度があり、「保存・再生の分野では日本より20年先を行っている。」と評価されている。


今回、紹介するのは20229月にオープンした「榕錦時光生活園區」です。

台北市が推し進める「古民家文化運動計画」の一環で、元々「台北刑務所官舍」であった金華街一体を、民間と協力し合い3年以上の歳月と2億元を投入して文化資産の修復と再生を遂げたスポットです。

木造の家屋を上手にリノベし、コーヒーショップ、ベーカリー、ペットショップなど人気の店舗15店を集めたモールなので、若い人たちに「おしゃれ」と人気なのです。

実際、行った時も来場者は若い人がほとんどで、浴衣を貸してくれる店などもあり、人気のフォトスポットでした。

また、刑務所の塀も一部残されていて、文化財として指定古積に登録されているのです。

窓の格子や、庭の石組など、昭和の日本住宅の雰囲気を残しています。

暗い歴史のため、長年放置されていた建築物を再生し、明るい地域にしたことで、台湾の公共建築部門の金賞を得ています。

とても、不思議な空間でした。

※台湾日式建築紀行 渡邉義孝著 から抜粋加筆

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榕錦時光生活園  道路側 テイクアウトのコーヒーショップ
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榕錦時光生活園 塀の一部を史跡として残す旧刑務所側
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旧官舎の裏側の和風の庭
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新しく建てられた人気のベーグル屋
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旧刑務所入り口とリノベされた旧官舎

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榕錦時光生活園 全体平面図 台北市HPより

文•写真 山本典子


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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。

 女技会のホームページは→コチラ

by jogikai | 2024-06-01 08:00 | 散歩・旅行 | Trackback | Comments(0)

 

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