「台北 榕錦時光生活園區」 台湾の日式建築のリノベーション・モール
2024年 06月 01日

台湾の「日式建築」のリノベーションを見に行ってきました。
「日式建築」とは日本統治時代(1895年~1945年)の50年間に建てられた建築群の内、意匠的・技術的に日本をルーツとする近代建築群です。
当初 負の遺産として捉えられていた建築物ですが、中国本土の様式のレンガ造ではなく、「木造の建築はおしゃれな雰囲気、懐かしく感じる」などの評価が変わり、2000年にリベラルな政党が政権につくと、日式建築の再評価、保存、再生の動きが加速しました。
台北の「崋山1914文化創意産業区」(酒の工場のリノベ)など民間資金による文化発信基地としてのリノベーションが進んでいます。
市民による保存の動きを文化資産保存法が強力に後押ししていて、「所有者が取り壊そうとしても、文化的価値が認められれば、周辺住民がストップをかけられる。」という制度があり、「保存・再生の分野では日本より20年先を行っている。」と評価されている。
今回、紹介するのは2022年9月にオープンした「榕錦時光生活園區」です。
台北市が推し進める「古民家文化運動計画」の一環で、元々「台北刑務所官舍」であった金華街一体を、民間と協力し合い3年以上の歳月と2億元を投入して文化資産の修復と再生を遂げたスポットです。
木造の家屋を上手にリノベし、コーヒーショップ、ベーカリー、ペットショップなど人気の店舗15店を集めたモールなので、若い人たちに「おしゃれ」と人気なのです。
実際、行った時も来場者は若い人がほとんどで、浴衣を貸してくれる店などもあり、人気のフォトスポットでした。
また、刑務所の塀も一部残されていて、文化財として指定古積に登録されているのです。
窓の格子や、庭の石組など、昭和の日本住宅の雰囲気を残しています。
暗い歴史のため、長年放置されていた建築物を再生し、明るい地域にしたことで、台湾の公共建築部門の金賞を得ています。
とても、不思議な空間でした。
※台湾日式建築紀行 渡邉義孝著 から抜粋加筆






文•写真 山本典子
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by jogikai | 2024-06-01 08:00 | 散歩・旅行 | Trackback | Comments(0)