ビルの谷間で野菜を作る@新宿
2024年 10月 01日
先代がこの土地を購入した時、大根畑だったそうです。
今はビルに囲まれ、2 年前からは南側に13階建てのビルが出来ました。
朝、夕方と3時間ほどしか直射日光は入りません。
そんな庭ですが、毎年食べるのが楽しみで野菜を作っています。
作っているのは夫です。野菜をいつでも移動ができるように大きなポットで作っています。
もちろん重たいので、移動できる作物は限られています。
また、日陰でも生育する作物は直植えです。
例えば、赤紫蘇は種を植えているわけではないのですが、毎年芽が出ます。
赤紫蘇は「梅干し漬け」や「紫蘇ジュース」になります。
今年は陽が強すぎて、8月には枯葉のようになってしまいました。
早めに葉だけ収穫し、塩漬けにしてあります。
茗荷(ミョウガ)は、物置の陰に密生しています。
「早稲田茗荷」と言い、茗荷は江戸時代から大正時代にかけて早
稲田周辺で広く栽培されていたらしいのです。
将軍の食卓にも上がったと言います。
文京区にある「茗荷谷」という地名は、このあたりにも茗荷(ミョウガ)畑が広がっていたことに由来するとされます。
家の茗荷は近くの種株屋で買ったので、その伝統ある「茗荷」ではありません。
しかし、この地が合ったのか、夏になると赤味を帯びた小さい茗荷が、土の中から毎日顔を出します。茗荷は、刻んでから笊で水切りして土を落とし、薬味としてとても便利に使っています。
自宅の畑は「切らない、間引かない」との方針のもと、植物は好き放題に伸びています。
もちろん無農薬ですので、虫はたくさんつくのです。
穴だらけの葉ですがナスはチャンと実を付けます。
『親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない』のことわざ通り、
実を結ばないナスの花は無いことには驚きです。
高いビルが建つ前には「トマト」なども栽培していました。
現在は「ハバネロ」というメキシコ産のとても辛い唐辛子を主としてポットで栽培しています。
というのも、繁華街が近く、そこに住むネズミがうちの野菜をかじります。
少しでもかじられた野菜は食べる気がしません。
しかし、ハバネロはかじられません。毎年、豊作です。
この唐辛子、素手で触るのが痛くて危険なほど辛いのです。
夫曰く「ハバネロには辛味だけではなくうま味もある。」と収穫したハバネロを夫専用の冷凍庫で1年分保存しています。
ありがたいことに、夫婦2人なので、新宿野菜の自給自足が夏の間は可能です。
私は「ハバネロ」だけは使いませんけれど…。
文・写真 山本典子/一級建築士
by jogikai | 2024-10-01 08:00 | 育てる(ひと・動物・植物) | Trackback | Comments(0)