日本の最新トイレ事情
2025年 01月 15日

(1980年初代ウォシュレット/TOTOホームページより)
突然ですが、皆さんはトイレで温水洗浄機能を使っていますか?
お客様とトイレを新しくする打ち合わせをするとき、便器に温水洗浄便座をつけるかつけないかではなく、どのグレードの温水洗浄便座にするかから話が始まります。ただ、自分が温水洗浄機能を使用しないため、ふと気になって少し調べてみました。
温水洗浄便座のルーツは実はアメリカだということです。1967年にINAXが国産1号機の販売をはじめましたが、1980年にTOTOが家庭用にウォシュレットという名前で販売を始めて普及に弾みがつきました。2021年の時点で日本では80.3%の普及率だということです。(2021年3月内閣府消費動向調査による)
ただ、実際に温水洗浄機能を使用しているかどうか身近な人や知り合いに聞いてみるとバラつきがあることがわかります。民間のデータ会社によると、温水洗浄機能の使用率は女性よりも男性が高く、若年よりも高齢者が高いそうです。

また、自宅以外で温水洗浄機能を使用する割合はさらに男女差が大きくなり、公共の場で温水洗浄機能を使用しない女性の割合は意外に多いようです。

温水洗浄便座のデメリットについてあえて挙げるとすれば、
・使いすぎ等による皮膚トラブルのリスク
・掃除が行き届いているかの信頼度
・電気代
ではないかと思います。
使用しすぎ等による皮膚トラブルについてはプライベートな問題だけにあまり明らかにならず、個人の判断によって温水洗浄便座とうまく付き合うことが必要になってきます。
掃除の信頼度については各メーカーが提案をしていて、ノズルの自動洗浄機能をつけたり、ノズルの位置や本数を改良したりといった細かい進歩があります。ただ、最終的に信頼するかどうかは個人判断になるでしょう。

電気代については例えばLIXILのシャワートイレでは瞬間式の給湯で104kW/年(参考電気代2800円/年)、貯湯式で164kW(参考電気代4428円/年)です。(LIXILお客様サポートによる)費用感は人それぞれですが、導入を躊躇する金額ではなさようです。
以前、公共の便器が次々と和式から洋式になったときに、私はお尻を直接便器の上に乗せる洋式便器は不衛生だと感じていました。ところが最近和式便器を公共の場で見た私は、和式便器を避けて洋式便器を選んでしまい、自分の考え方が変遷しているのに驚きました。男性のいわゆる立ちションについても、特に若い世代では自宅ではほとんど座って用をたしているとのことで、昔とは隔世の感があります。温水洗浄便座についても、生まれたときから家に温水洗浄便座がある世代が増えています。(海外では温水洗浄便座はほとんど普及していないと聞きますので今のところ日本独自のトイレ文化ではあります。)
各自それぞれの、快適なトイレライフを送ってほしいと願います。
文:戸川理子/一級建築士
by jogikai | 2025-01-15 08:00 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)

