人気ブログランキング | 話題のタグを見る

<<     すきまを工夫して作った収納実例 >>

ランドリールームのある住まい

ランドリールームのある住まい_e0264942_00223257.jpg

雨の日も寒い日も頼りになるランドリールーム


家事の中でも、家の間取りやつくりと密接に関わるのが洗濯です。

衣類を集め洗濯機を回す、干す、取り入れる、仕舞う、というのが一般的な流れです。

ですが、そのそれぞれをどこでどのようにするかに、その家流のスタイルがあらわれます。

洗濯機は脱衣所に置くケースが多いと思いますが、それ以外にこれまで受けた要望では、物干し場の近く、水回りの廊下の一角、炊事の流れでキッチンの近く、専用のユーティリティなどがありました。

洗濯物をどう干すかも多様で、バルコニーや庭のテラスでという天日干し派ばかりでなく、脱衣所や浴室に室内干し、衣類乾燥機のみ、サンルーム、除湿器を使い小部屋の乾燥室でなど、一様ではなくなってきています。

花粉症や空気汚染の問題や、家事を効率化したい共働きの生活スタイルが、多様化の背景にあるのでしょう。

どのようなスタイルにしろ、我が家流の一連の流れに合わせた洗濯動線を描くことが、スムーズでストレスのない洗濯家事の決め手になります。

紹介する住まいでは、2畳強の広さのランドリールームを設けました。

洗濯機とガス衣類乾燥機を置き、収納も設けています。

特徴は、南に面する場所に配置して、日照と通風のため大きな窓を設けたこと。

建物が南面する幅の1/4を敢えてランドリールームに充てました。

2世帯3世代が同居するこの家では、毎日たくさんの洗濯物が想定されます。

「我が家にとって雨の日も寒い日も、洗濯が滞らないことは重要なのです」との要望を受け提案した
スペースです。

ランドリールームのある住まい_e0264942_00223919.jpg

アクセスはよいが、居間から丸見えにならない位置関係がポイント

ランドリールームのある住まい_e0264942_00224451.jpg

掃き出しサイズの窓。壁付けの物干金物で、外干しにも対応


もう一つの特徴は吹抜です。

上階から葺き下ろす屋根下に配置したことで、天井の高い吹抜状の空間になっています。4mの高さに通風用の窓があり、上下に空気が循環することで洗濯物の乾きが早まります。

また物干竿を高い位置に設置することができ、洗濯物を干していても、その下の空間で作業ができます。物干竿は手動で昇降する仕掛けで、背の高くない人が洗濯物を掛けるにも不都合がありません。

たかが洗濯、されど洗濯。

気持ちの良い暮らしのために、こだわって整えたい住まいのスペースです。


文・写真 勝見紀子/株式会社アトリエ・ヌック建築事務所

* * * * * * * * * * * * * * * * * *
※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
女技会のホームページは→コチラ

by jogikai | 2025-06-01 08:00 | 洗う・干す | Trackback | Comments(0)

 

<<     すきまを工夫して作った収納実例 >>