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純日本旅館、鳳明館(文京区本郷)

日本建築学会2024年大会(明治大学駿河台キャンパス開催)の記念行事、「人や暮らしがつくる街の魅力を探る(本郷周辺)」見学ツアーに参加しました。一般社団法人せんとうとまち代表理事で法政大学客員研究員の栗生はるかさんをナビゲーターに、地下鉄南北線の東大前駅から本郷三丁目の本郷中央教会まで、3時間ほどかけてまち歩きをご案内いただきました。

この周辺は関東大震災でも東京大空襲でも火災被害を免れ、古き良き生活文化が残っています。鳳明館(ほうめいかん)本館は120年以上前の明治31年に建てられ、その当初は下宿でしたが戦後に旅館専業に改築されたとのこと。東京都の登録有形文化財です。20室ほどある客室は全て室礼(しつらい)が異なります。とくに、使用されている木材は銘木・変木ぞろい。

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右の床柱(とこばしら)はケヤキ。落とし掛け(横木)はサルスベリ。


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ザクロの床柱。天井にもご注目。

外国人旅行者に言わせると、日本の魅力は近代的な街並みのすぐ近くに伝統と自然が共存しているところだそうです。都心では皇居や明治神宮などがその代表でしょうか。

実は子どもの頃は古いもの、伝統的なものが大嫌いでした。さすがに還暦を過ぎて自分自身が旧くなってきて(笑)、少しは歴史を楽しむこともできるようになりました。「この廊下、この通りをかつてたくさんの下宿学生や商人、修学旅行生などが歩いて、通り過ぎていったんだなあ」と思うと感慨深い。

20252月現在は大規模改修により日帰りプランのみ提供中(ワーケーションなどデイユース、イベント、ロケや撮影など)で宿泊はできませんが、現地に赴かずともウェブサイト(鳳明館HPでたくさんの写真が見られますし、360度ビューイングのグラフィックも堪能できます。ロの字型の平面図も見られます。

文・写真: 松崎志津子構造設計一級建築士, 博士(工学)

/㈱東日本住宅評価センター

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
女技会のホームページは→コチラ

by jogikai | 2025-09-15 11:58 | 散歩・旅行 | Trackback | Comments(0)

 

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