近衛騎兵聯隊(れんたい)兵舎の復元模型製作について -学習院戸山キャンパスに遺る煉瓦造建築2―
2025年 12月 01日

*4B館南側出入口
2023年1月15日配信のブログでは、「学習院戸山キャンパスに遺る煉瓦造建築」と題して、学習院女子大学、学習院女子中等科・高等科のキャンパスに遺る2棟の煉瓦造建築のことを紹介しました。
学習院戸山キャンパスが位置する土地は、明治末期から第2次世界大戦終戦までの間陸軍近衛騎兵聯隊の施設でした。現在も旧兵舎(1913年竣工)、旧炊事場・風呂場(1912年竣工)の2棟が学習院の教育施設として受け継がれ、活用されています。

*近衛騎兵聯隊兵舎の復元模型
旧兵舎は、現在4B館(学習院女子大学4号館/学習院女子中・高等科B館)として使用されており、大規模な耐震改修工事を終えたばかりです。
今回この4B館をもとに、近衛騎兵聯隊時代の兵舎の復元模型を製作するお手伝いをしました。模型の製作は、現存する4B館に遺された兵舎としての痕跡、実測調査で判明した屋根の構造、陸軍に関する文献史料をもとに行ないました。

*実測調査を基に作成された屋根の構造
なかでも力を注いだのは、内務班(ないむはん)と呼ばれる兵室内部の復元です。
内務班は旧日本陸軍の兵営生活の基礎単位で、下士卒兵の集団生活の基本となる空間でした。

*銃架のある廊下『近衛騎兵連隊写真集』より

廊下の柱間に備えられた銃架(使わない銃を立て掛ける棚)や靴箱、中央の机、椅子、ストーブ、寝台、両側の壁に設けられた被服棚(兵士の衣服や日用品を収納)などを、遺構や史料をもとに復元しました。特に寝台の数は、時代や所属によって異なるため、議論を重ねた上で16台と決定しました。

今後4B館には、江戸時代の大名屋敷、近衛騎兵聯隊施設、学習院の施設に至る戸山キャンパスの歴史を示した展示施設が開館することになっており、この復元模型も展示される予定です。
ところで4月から9月まで放映されたNHKの朝ドラ『あんぱん』での戦争時のシーンでは、内務班(兵室)でのシーンがよく登場していました。模型に近いセットとなっていて、ちょっと嬉しかったです。
*写真を含む出典:『復元模型からみる学習院戸山キャンパス4B館とその歴史』
2024年:学習院女子大学学芸員課程委員会・収蔵資料管理運営委員会より
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by jogikai | 2025-12-01 08:00 | 歴史的建築物 | Trackback | Comments(0)

