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住まい手と作り手

住まい手と作り手_e0264942_6565637.jpg一昨年より、リフォームのご依頼が増える中で、築60年を超える”古民家”の改修が増えてきました。
どの住まいも同じものは一つと無く、長い間に育まれた住まい手の生活が良く解ります。築15年~40年でリフォームや建て替えを考えてしまう家が多い中で代々受け継がれてきたモノを見ると施主により、大切に維持されてきたことがわかります。
それは「遺そう」という気持ちが、家への愛着となって日頃のお掃除やメンテナンスを怠らないことに繋がっているようです。

材木一つにしても、今の材とは比べ物にならないくらい良いものは使われているというものもありますが、そうでなくても一つの木から無駄にすることなく、建築の為の材を取っていることがわかります。建築工事は大体、3年以上かけて作られたものが多いこともわかってきました。
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住まい手と作り手_e0264942_7131590.jpg「寒い・使い勝手が現在の生活に合わない・掃除が大変なので散らかりやすい」というようなイメージを住まい手自身が持っていることもあります。
ですが、樹齢数百年の大木は今では貴重なものになりました。もう一度生かすように再生が可能であれば、ご自身達の代よりも先の世代にまで受け継ぐことができるようなものになります。
写真は、構造設計事務所のM先生と担当のKさんです。今回は構造補正をする必要を感じた為、設計計画当初から入っていただいています。
こちらのお宅は屋敷内に大きな欅。地元の木で家づくりをしていた昔、この辺りの木をねかせて作ったのでしょう。メインとなる梁や柱などは欅です。
欅は切って10年、寝かせて10年、なので建築資材として使うには30年かかると職人さんにお聞きしました。今、再生で出して居る材は、同じような樹齢の材、250年~500年のもので建築資材としてストックされて倉庫で数年~数十年しっかり寝かせてあったものを使用してくださっています。
他所でも、同じようなことをされている設計者も多く居ますが、私としては、初めての職人さん直接施工(分離発注)にチャレンジしています。設計事務所の業務の枠を超えていますが、作り手(職人さん達から)得るモノが大きいです。
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住まい手と作り手_e0264942_7341164.jpg設計計画にも時間はかかりましたが、着工してからは一週間のうちの殆どが現場に密着です。幸い、職人さん達が居る工場と現場が近いこともあり、お施主さんと顔を合わせることも更に多くなりました。
設計者としての役割はお施主さんの立場でものごとを進めて行くことです。そのスタイルは変わりません。また今一緒に仕事をしていただいている職人さん達も住む人の為にという思いが一緒です。
作る人から住む人の顔が見える、住む人からも作る人の顔が見えるというスタイル。
工事している周辺ではお施主さんが草むしりやお掃除をお休みの度にされています。「欅に蔦が生えて枯れてしまうので可愛そうですよ」という職人さんの話から敷地内の木を綺麗に枝打ちなどしたそうです。本当に見違えるようにお庭もイキイキしてきました。
もともと、食べることや作ることが大好きなお施主さんです。これからも大切に維持して下さると思います。建物工事も中盤。背伸びせず、無理の無い心地よい生活ができるものになるように進めています。
小林輝子

by jogikai | 2014-10-21 07:57 | つくる・食べる | Trackback | Comments(0)  

まわり道

 出張でミラノへ行った時のこと、方向音痴の私は案の定、道に迷ってしまい、どの方向に歩いていいかもわからなくなって・・・
まわりを見渡したら、
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まるでモンドリアンの絵のようなテラスに、木が植えられている建築中の建物に遭遇。
ふと、ジャックと豆の木の話を思い出し、このテラスをステップに、空に向かって登っていけば、雲の上の巨人に出会えそうな気分になりました。








そして、今度は袋小路に迷い込んでしまい・・・
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アンティークのアイスクリーム自転車を発見!
アイスクリームを食べずとも、無駄に歩いた疲れを癒してくれる可愛らしさです。






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通りにある花屋さんも、楽しい気分にしてくれます。









 今回の旅の目的は、ミラノの街を迷走することではなく、キッチンのファッションショー「ミラノサローネ・ユーロクッチーナ」の見学でした。
2年に1度開催されるユーロクッチーナは、各キッチンメーカーが最先端のコンセプトモデルを展示しています。
目新しい素材、進化した調理機器、便利な機構が備わった斬新なデザインのキッチンの数々を見てまわっていると・・・
まわり道_e0264942_15244767.jpg
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サローネの本会場で1950年代の雰囲気を彷彿とさせるキッチンに出会いました。
イタリア、マルキ社のキッチンは、懐かしさを感じさせてくれるキッチンです。





まわり道_e0264942_15105867.jpg
主人公が楽しそうに暮らす様子を空想できそうなキッチン。
生活感が感じられるキッチンは、新鮮でした。








 最近、日本でも懐古趣味的な要素を取り入れて、空気をやわらげているインテリアを見かけるようになりました。
古いもののぬくもりを感じて、ほっとできる暮らしが求められているのでしょう。


使う人の個性が感じられ、料理づくりに精を出したくなるようなキッチンを見ると、
「おいしいものを作るには、近道をさがさないこと」ターシャ チューダの言葉を思い出します。

近道を探してばかりの私ですが、ハイテク便利なキッチンより、素朴で丁寧な暮らしができるキッチンに魅かれるようになりました。

                                                  秦ゆき子

by jogikai | 2014-10-13 16:48 | 話す・聞く・見る | Trackback | Comments(0)