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続・玄関の履き替えについて

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去年、玄関の履き替えについて書かせていただきました。

※前回のブログ「玄関の履き替えについて」(20223月1日投稿)

靴を履き替えるのに、土間に降りずにスマートに履き替えたい、というところで話は終わったのですが、その後玄関踏み台を購入することを検討しました。何軒かのお宅で見かけたことのあるアイテムで、いくつかの商品が販売されています。

元々、日本家屋の上がり框(かまち)はかなり高いものでした。写真にある古民家の玄関の土間との高さの差は50センチでした。このような高すぎる玄関の靴の脱ぎ履きをなんとかしたいということで、式台という木製の横板や、写真のような沓脱石(くぬぎいし)が設けられました。

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八王子千人同心組頭の家:江戸東京たてもの園にて

現在の住宅は上がり框がそこまで高くなく、特にマンションなどでは段差がほとんどない場合もあり、高さを補う必要はなくなりました。我が家も上がり框は18センチという一般的な高さなので靴を履くのに高さとしては問題ありません。

ただ、実際には靴を履こうとすると土間に降りなければ靴がとれず、そのため土間に向かって半島のように突き出た部分があると便利だということなのです。

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検討した結果、玄関用とは限定されていない踏み台ですが、よさそうな物を見つけました。高さ12センチのヒノキの踏み台です。安定性もよく、手(足?)触りもよく、重さは3キロ弱と、掃除などで移動するのにも重くありません。

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さっそく土間に置いてみました。この踏み台を使うことで、土間に靴下で降りたり靴をしまうのに再度土間に降りたりということがなくなりました。めでたしめでたし・・・と思ったら、家族はこの台を使わずに土間に靴下で降りているのを目撃。

今度はいかに家族に使ってもらうか、という問題に直面しています。

文・写真:戸川理子一級建築士

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
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# by jogikai | 2023-05-15 09:05 | 出かける・帰る | Trackback | Comments(0)  

建築素材をジュエリー感覚で!(浴室編)〜建築素材 タイルやガラスを壁に貼ったり、埋め込んだり。 お気に入りの素材を使ってインテリアに彩りを!〜

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壁にヒノキ板を張ったハーフユニットバス


最近では、浴室をユニットバス(システムバス)が採用されることがほとんどです。防水性や施工性に優れているため、造作での浴室はほとんどなくなってしまったのが現状かと思います。

そのユニットバスのメリットと、造作での浴室の特徴を両方いかしたハーフユニットバスの事例を、ご紹介します。

ハーフユニットバスの特徴は、浴槽と洗い場が一体になっていて防水効果を高めながらも、壁や天井材を好きな材料を選べ、トップライトなども採用できるのが最大のメリットです。

こちらの事例は、ハーフユニットバスとヒノキ板を張った壁面とのボーダー部分に、ガラスタイルと半磁器タイルをはめ込んだ浴室です。

また、窓は通常よく採用される引き違い窓ではなく、ガラスブロックとルーバー窓の連窓とし、天井には

トップライトをつけて柔らかな日差しを取り込めるようにしました。


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ボーダーに使っているガラスタイル


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隣家との目隠しになるカラフルなガラスブロックの壁

次にご紹介するのは、『バスコートのある浴室』です。

隣家に面した敷地境界の内側に、カラフルなガラスブロックの壁を立ち上げて目隠しとしました。

そうすることにより、浴室の窓は透明なガラスにできますので、バスコートの植物を眺めながら入浴ができます。

特に夜は浴室の照明をおとして、バスコートの植物をライトアップして雰囲気を楽しめます。

一日の疲れをゆったりと癒やす事の出来る、世界にひとつだけの特別な浴室となりました。


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洗面所からガラスブロックの壁を見る


この他にも素敵なガラスやタイルなど、建築素材はジュエリー感覚で使えるものがたくさんあります。

新築やリフォームの時には、材料選びにときめいてみませんか?

文・写真:一級建築士 鈴木二葉/靖建築事務所有限会社


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# by jogikai | 2023-05-01 08:00 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)  

オンライン or 対面

3年程続いた新型コロナウイルスの流行は今春で一段落し、日常生活の制限もゆるやかに解かれるようになりました。私たちの生活は3年前とは大きく変わりましたが、一番大きな出来事はzoomのようなオンラインシステムが導入されたことだといえます。

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   写真1 実験講師K先生による授業風景(コロナ禍前)


私が大学の非常勤講師を務めるなかで、一校は20202022年度の3年間をずっとオンライン授業を行ない、この春から漸く対面授業に戻ったところです。

オンラインとなり教師としてよかったことは、出席とともに全ての出席者から質問、意見、感想などのコメントが提出されることでした。対面授業では質問や興味のある学生が私のところにきますが、リモートでは出席者全員の声を聴くことができました。ですが学生にとっては学生同士のコミュニケーションもなく、コメントの提出は負担となっていたかもしれません。


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写真2 学生の実習風景(コロナ禍前)


一方で対面授業との相違点を一番感じたことは、実習授業についてでした。3年前までは授業中に実習を2回行なってきましたが、これを中止するかオンラインで実行する必要が生じたことです。ひとつの実習はタイル貼りの施工で、湿式工法と乾式工法の相違点を学ぶ授業です。はじめに実験講師が湿式工法のタイル貼りを実演し、のちに学生が乾式工法のタイル貼りに取り組みました(写真1)。30㎝のベニヤ板に9枚のタイルを接着剤で貼り、隙間に目地を埋める実習を行ないます(写真2)。


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1 配布用のマニュアル(抜粋)


毎年学生が楽しみにしているこの実習を、オンライン授業でも実現させたいと考えました。そこで事前に実験講師の実習風景を動画で撮影、持ち帰り用の実習キットとマニュアルを準備し、動画を見て自宅で一人で実習を行なうことにしました(図1)。また一人でも取り組みやすいようにと規模を縮小しました。課題を提出した学生の感想は、実習自体は楽しかったけれども、講師が簡単に行なっていた作業を実際に行なうと難しかったということ、特に目地を埋めることが大変だったというものでした(写真3)。やはり実習を一人で行なうことは困難だと実感しました。


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写真3 オンライン授業での提出作品(2021年度)


昨年の授業では、幸いにして対面での実習を行なうことが実現しました。学生同士会話をしつつ実習に取り組み、教師は周りを見回し進行状況を確認するという授業風景が戻ってきました。提出された多くの作品は、これまでで一番精度が高いものでした(写真4)。


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写真4 対面授業での提出作品(2022年度)


コロナ禍によって導入されたオンラインシステムは、私たちの生活への利便性をもたらせました。一方で対面だからこそのよさを見直されることにもなりました。最近はオンラインと対面とのハイブリッド型システムも導入されており、今後も進化は続いていくことでしょう。5年後10年後の日常はどのようになっているのか、少しの不安とともに楽しみでもあります。


文・写真 杉山経子 博士(工学)建築歴史・意匠 杉山経子建築+デザイン研究室


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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
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# by jogikai | 2023-04-15 00:15 | 学ぶ・遊ぶ | Trackback | Comments(0)