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建具で間仕切り

隣り合う部屋を一体につなげて使ったり、大きな空間を区切って使えると、利便性が高く、暮らしに色どりも生まれます。
建具を用いて間仕切りした事例をご紹介します。

写真奥が食堂、手前がリビングの間取り。
夫婦二人住まいで日中は開放的に暮らしていますが、夜は食事が済めば間仕切りを閉めて、リビングで過ごすことが多いそうです。妻の友人たちが訪れる際は建具を閉じて、リビングの夫に気兼ねなく食堂でおしゃべりでき、具合がよいとのこと。
間仕切りは、障子紙風シートを貼った格子の2連折れ戸で、解放時は脇の壁に収納されます。

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写真1)建具を開けたところ

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写真2)建具を閉めたところ


リビングと隣り合う小上がりの畳の間。
家族皆が在宅の時は、リビングのソファでテレビを見る人、堀炬燵でパソコン作業をする人、食卓と小上がりに腰かけて話す二人、そんな過ごし方が多いそうですがそれはたまにとのこと。普段は誰かがひとりでいることが多いとのことで、そんな時は間仕切りを閉めてコンパクトに過ごしています。
建具は広幅の障子が2枚で、押入の方向に引き込まれます。

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写真3)建具を開けたところ
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写真4)建具を閉めたところ


コンパクトな住まいで、畳敷きの居間と板張りの食堂が隣り合っています。
畳敷きは、小さな子供が遊ぶにも安全で、ストレッチなど体操をするのにも向き、布団を敷けば寝室にもなるという、融通の利く空間です。

普段はキッチンからも目が届くよう開け放して生活されています。遠方の両親が宿泊する際や、来客を迎え食堂やキッチンのプライベート空間を隠したいときに、間仕切りの戸襖が活躍します。
戸襖はコーナーに配してあり、玄関から直接畳の間に入れる間取りとしています。

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写真5)建具を開けたところ

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写真6)建具を閉めたところ

リフォームで、寝室と書斎の間の壁を取り払い、部屋をつなげた事例です。細かめの縦格子の建具は、緩く視線を遮るだけで、音や匂いや温度環境を分ける性能を持ちません。ただ、夫婦で隣り合う空間にいながら気配を感じていられること、繊細な格子の佇まいをインテリアデザインとして楽しみたいということで、このようなスタイルを採用しました。

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写真7)建具を閉めたところ
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写真8)建具を開けたところ

写真撮影者:渡辺慎一、他 執筆者:勝見紀子

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
 女技会のホームページは→コチラ


# by jogikai | 2023-06-15 23:19 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)  

サンルームで室内干し


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写真1)2階のサンルーム(撮影:赤木香菜子)


我が家のサンルームの話です。もともとは、1階の屋根にのっかっている約4帖大のバルコニーでした。1階部分は親世帯の寝室の一部です。

2世帯リフォームを考える際に、1階が親世帯、2階が私たちの世帯と分かれて暮らすことになるので、2階にも物干しスペースは必要。また、共働きの我が家では、急に雨が降ってきたときに洗濯物が取り込めない状況なので、いっそのことバルコニー部分をサンルームとして建築することにしました。室内干しの利点として考えられることは、雨でも干しておける、花粉が付かない、夜に洗濯しても干すときに安全など。

東側と南側には、FIXの窓と横すべりの窓を上下に段窓サッシとして、それを5カ所L型に配しました。さらに、より効率的に日差しを取り込み、換気もできるように天井に2個のトップライトも付けました。

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トップライト(撮影:Kota Takeishi (VELUX)


床は、300□の磁器タイルを圧着貼とし、濡れた水着や上ばきから水が垂れても大丈夫なように仕上げました。子どもが成長する段階で、水彩画や水を使う遊びにも対応できると考えました。

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サンルームの床タイル(撮影:Kota Takeshi (VELUX)


物干し金物と物干し竿2本を設置した他、シーツやバスタオルなど大物を干す場合には秘密兵器の室内物干しワイヤーなるものも設置しました。箱に付いている出っぱりを引っ張ってワイヤーを伸ばし、反対側の受けに引っ掛けるようになっています。予備として考えていましたが、今では、常に出しっぱなしで、ランチクロスやフェイスタオルも干しています。後からでも施工できるので、手軽に設置できると思います。

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写真4)物干しワイヤー(撮影:赤木香菜子)


失敗したことは、トップライトの開け閉めを手動にしてしまったこと。電動で開け閉めできるものは、開けたままで雨が降ってきても、センサーが内蔵されているので、自動で閉めてくれるのですが、手動は自分で閉めないといけません。結果、開けたまま出掛けられないということになりました。建物の他の部分もほぼ全てリフォームする大規模な計画だったため、当時は予算が足りず、削ってしまった項目だったのですが、ちょっと後悔しています。

文: 赤木香菜子 / 一級建築士
設計:赤木Y&K設計室

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
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# by jogikai | 2023-06-01 08:00 | 住宅設計 | Trackback | Comments(0)  

続・玄関の履き替えについて

続・玄関の履き替えについて_e0264942_22542416.jpg
去年、玄関の履き替えについて書かせていただきました。

※前回のブログ「玄関の履き替えについて」(20223月1日投稿)

靴を履き替えるのに、土間に降りずにスマートに履き替えたい、というところで話は終わったのですが、その後玄関踏み台を購入することを検討しました。何軒かのお宅で見かけたことのあるアイテムで、いくつかの商品が販売されています。

元々、日本家屋の上がり框(かまち)はかなり高いものでした。写真にある古民家の玄関の土間との高さの差は50センチでした。このような高すぎる玄関の靴の脱ぎ履きをなんとかしたいということで、式台という木製の横板や、写真のような沓脱石(くぬぎいし)が設けられました。

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八王子千人同心組頭の家:江戸東京たてもの園にて

現在の住宅は上がり框がそこまで高くなく、特にマンションなどでは段差がほとんどない場合もあり、高さを補う必要はなくなりました。我が家も上がり框は18センチという一般的な高さなので靴を履くのに高さとしては問題ありません。

ただ、実際には靴を履こうとすると土間に降りなければ靴がとれず、そのため土間に向かって半島のように突き出た部分があると便利だということなのです。

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検討した結果、玄関用とは限定されていない踏み台ですが、よさそうな物を見つけました。高さ12センチのヒノキの踏み台です。安定性もよく、手(足?)触りもよく、重さは3キロ弱と、掃除などで移動するのにも重くありません。

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さっそく土間に置いてみました。この踏み台を使うことで、土間に靴下で降りたり靴をしまうのに再度土間に降りたりということがなくなりました。めでたしめでたし・・・と思ったら、家族はこの台を使わずに土間に靴下で降りているのを目撃。

今度はいかに家族に使ってもらうか、という問題に直面しています。

文・写真:戸川理子一級建築士

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※『女性建築技術者の会(通称:女技会)』とは、
建築に関連する様々な仕事を持つ女性が主体的に運営する任意団体です。
 女技会のホームページは→コチラ

# by jogikai | 2023-05-15 09:05 | 出かける・帰る | Trackback | Comments(0)